検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 37 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

植物の突然変異と育種

大野 豊; 横田 渉

加速器, 12(4), p.189 - 192, 2016/01

Ion beams are useful tools for induced mutagenesis and breeding of plants. They are characteristic of high linear energy transfer and distinct from $$gamma$$-rays or electron beams; wider mutation spectrum, higher mutation frequency, and higher rate of large insertion or deletion on DNA. Not only more than 30 newly registered plant varieties but also new valuable microorganisms have been generated by ion beams accelerated by the AVF cyclotron in TIARA. Developing effective methods to isolate mutants with specific traits is a future challenge.

論文

Analysis of mutations induced by carbon ions in ${it Arabidopsis thaliana}$

鹿園 直哉; 鈴木 智広*; 北村 智; 渡辺 宏*; 田野 茂光*; 田中 淳

Journal of Experimental Botany, 56(412), p.587 - 596, 2005/02

 被引用回数:117 パーセンタイル:91.13(Plant Sciences)

シロイヌナズナ乾燥種子に炭素イオン150Gy、及び対照として電子線750Gyを照射し、誘発される突然変異の特徴を調べた。炭素イオンでは大部分が短い欠失からなる点様突然変異と、逆位,転座,欠失等の大きな構造変化が誘発された。大きな構造変化で切断点を解析したところ、多くの場合短い相同性を利用して再結合がなされていること,切断末端では短い欠失が生じることが見いだされた。それに対し電子線では、短い相同性を利用する点は同じだが、切断末端では欠失ではなく、その末端の配列が重複するかたちで再結合がなされることが多かった。これらの結果は、炭素イオン及び電子線によって誘発されるDNA鎖切断は異なる経路によって修復される可能性を示し、イオンビームの突然変異原としての有用性を示唆するものである。

論文

暮らしや産業界に役立つ魔法の力,4; イオンビームの利用

横田 渉

企業サポートぐんま, P. 12, 2004/07

イオンと物質の相互作用を平易に解説するとともに、それを利用したイオンビームによる研究開発の実例として、イオンビーム育種によるキクやカーネーションの創出,宇宙用半導体の耐放射線性評価,マイクロビームを用いたPIXE分析などを紹介する。

報告書

第1回イオンビーム生物応用ワークショップ論文集; 2002年11月19日,高崎研究所

鹿園 直哉; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 大野 豊; 田中 淳

JAERI-Conf 2003-003, 62 Pages, 2003/03

JAERI-Conf-2003-003.pdf:3.17MB

日本原子力研究所(原研)ではイオンビームを用いた生物応用の研究を進めている。この研究を今後より一層発展させ、産学官の連携を効率的に進めるとともに、関連研究者が一堂に会し、研究開発の現状を把握し、将来を展望して研究計画に反映させることを目的として、イオンビーム生物応用ワークショップを発足させた。第1回目としてイオンビームを用いた植物資源創成の研究に関連した、「イオンビーム育種技術の開発」を採り上げた。本ワークショップは、平成14年11月19日日本原子力研究所高崎研究所ベンチャー棟大会議室において、日本原子力研究所高崎研究所主催,日本育種学会,日本原子力学会関東・甲越支部,及び日本遺伝学会共催で行われ、130人が参加した。イオン照射技術をもつ原研,理研,若狭湾エネルギー研究センターでのそれぞれの照射技術,研究成果の発表,今年から実用化された新品種の紹介など非常に質の高い発表がなされた。今後はイオンビームによりさらに新しい変異体を作出し利用していくことが重要であり、将来的にはマクイロビーム等を用いた新しい照射技術による植物育種も有望であろう。

論文

拡大するバイオ研究への放射線利用

渡辺 宏

バイオサイエンスとインダストリー, 61(2), p.53 - 56, 2003/02

X線の発見と原子炉で作られる放射性同位元素がトレーサーとして、その後のバイオ研究に多大な貢献を果たしてきた歴史的事実から、バイオ研究における放射線利用の意義を明示するとともに、今後新たな進展が期待されるイオンビーム利用と中性子利用を中心として、原研が世界に先駆けて進めている先端的な各種バイオ研究への取組みの現状と主要な成果を紹介する。紹介した研究は、イオンビーム突然変異研究,マイクロビーム研究,DNA修復遺伝子解析研究,ボジトロンイメージング技術,中性子構造解析研究,放射光DNA損傷解析研究,DNA損傷と修復機構のシミュレーション解析研究などである。

論文

Economic scale of utilization of radiation, 2; Agriculture: Comparison between Japan and U. S. A.

久米 民和; 天野 悦夫*; 中西 友子*; 茅野 光男*

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(10), p.1106 - 1113, 2002/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.41(Nuclear Science & Technology)

本件は、平成11年度及び平成12年度に調査した「我が国の放射線利用経済規模」、「我が国と米国の放射線利用経済規模」に関連して、農業利用についての報告である。調査の結果は次のとおりである。(1)食品照射: 米国の食品照射経済規模はスパイス価格で幅が出る。最小(スパイス1.5$/lb)で206億円,最大(スパイス34$/lb)で3,903億円である(1999年度データ)である。いずれにしても我が国19億円の11倍から205倍の規模である。種類も馬鈴薯だけの我が国とは対照的にスパイス,果実・野菜,トリ肉と種類が多い。(2)突然変異育種: 米国128品種,日本120品種とほぼ同じ数の品種が育成されている。本調査推奨値は、最大のケースである。この場合、米国は1兆3,593億円であり、稲中心の突然変異品種17品種から得た我が国の経済規模973億円の14倍となる。(3)日米農業の放射線利用比較: 米国は17,496億円(対GDP比0.2%)であった。一方、我が国は992億円(対GDP比0.02%)であった。米国の放射線農業利用経済規模は我が国の18倍であった。

論文

An Ultraviolet-b-resistant mutant with enhanced DNA repair in arabidopsis

田中 淳; 坂本 綾子; 石垣 靖人*; 二階堂 修*; Sun, G.; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 田野 茂光; 渡辺 宏

Plant Physiology, 129(1), p.64 - 71, 2002/05

 被引用回数:73 パーセンタイル:82.8(Plant Sciences)

シロイヌナズナ種子にTIARAの炭素イオンビームを照射し、その後代において紫外線に耐性になる系統を初めて発見した。得られた4系統のうち、uvi1と名付けた系統では、紫外線高濃度環境下で野生株よりも約2倍の成長があったが、形態的には差異がなかった。紫外線損傷DNAの修復機構として明回復,暗修復の存在が植物で知られているが、これについてuvi1の能力を根の伸張テストやELISAで解析したところ、野生株に比べてuvi1は明回復,暗修復ともに向上していた。また、修復酵素であるCPDフォトリアーゼの遺伝子発現を調べたところ、uvi1では発現量が高まっていた。以上の結果から、uvi1では紫外線損傷DNAに対する修復能力が高まっているため、紫外線耐性が付与されたものと考えられる。

論文

新分野イオンビーム育種

田中 淳

エネルギーレビュー, 22(5), p.15 - 17, 2002/04

世界で初めてバイオ・材料研究専用に設立された原研高崎研究所のイオン照射研究施設(TIARA)における植物育種利用に関する総説である。1993年にTIARAが完成以来、イオンビームによる植物の突然変異体誘発研究では、初めて野性株よりも紫外線に耐性である突然変異体の誘発や、新花色のキクの誘発に成功するとともに花びら先端がフリル状になる遺伝子の存在を発見した。また、誘発される突然変異の特徴を分子レベルで解析し、イオンビームは決定的な遺伝子の変異を頻度高く誘発することで、変異率が高く、また変異スペクトルも広いために今までにない新しい突然変異体を効率よく作出できるという特徴を述べたものである。これらの研究は、環境保全や食糧資源の確保、また新産業の創出に向けて新種の植物を作り出すためにイオンビームが有効であることを示している。

論文

Posttranslational modification of the ${it umuD}$-encoded subunit of ${it Escherichia coli}$ DNA polymerase V regulates its interactions with the $$beta$$ processivity clamp

Sutton, M. D.*; 鳴海 一成; Walker, G. C.*

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 99(8), p.5307 - 5312, 2002/04

 被引用回数:37 パーセンタイル:51.75(Multidisciplinary Sciences)

大腸菌${it umuDC}$遺伝子産物(PolV)は、DNA損傷チェックポイント制御及び乗り越えDNA合成に関与している。2種類の${it umuD}$遺伝子産物,UmuDとUmuD'蛋白質と、複製型DNAポリメラーゼ(PolIII)との相互作用の解析は、${it umuDC}$遺伝子産物がどんな生物学的役割を果たしているのかを調べるために重要である。われわれは、UmuD蛋白質がUmuD'蛋白質よりもPolIIIの$$beta$$クランプに対して高い親和性を有しており、この親和性にはUmuD'には欠けているUmuD蛋白質のアミノ酸N末端アーム部の存在が重要であることを示した。さらに、$$beta$$クランプと架橋剤${it p}$-azidoiodoacetanilideによってクロスリンクする特定のアミノ酸残基を同定し、PolIIIとの相互作用に重要な蛋白質の構造部位を限定した。

論文

Utilization of bio-resources through nuclear technology

久米 民和

Proceedings of International Nuclear Conference 2002 (INC '02), p.128 - 135, 2002/00

原研で進めている$$gamma$$線,電子線及びイオンビームを用いた生物資源の有効利用に関する研究の現状を紹介する。$$gamma$$線や電子線を用いた放射線照射処理では、主として多糖類の分解及び橋かけによる植物生長促進剤や生分解性ハイドロゲルに関して得られた成果を報告するとともに、今後の農業や医療分野への応用の可能性について述べる。また、イオンビーム利用に関しては、植物の突然変異での有効性,ポジトロン放出核種を用いた植物体内物質移行のイメージングによる最新の研究などを紹介する。

論文

Mutation induction by ion beams in arabidopsis

田中 淳

Gamma Field Symposia, (38), p.19 - 28, 2001/04

イオンビームは大きなエネルギーを局所的に付与するという特徴がある。このため、$$gamma$$線などの低LET(線エネルギー付与)放射線に比べて突然変異誘発などの生物効果が高いと考えられるが、植物ではその利用研究が進められていなかった。そこでわれわれは、世界最初の材料・パイオ研究のための専用施設として1993年完成したイオン照射研究施設(TIARA)を用いて、シロイヌナズナをモデル材料としてイオンビームの生物効果について研究を進めた。その結果、イオンビームによる突然変異の誘発は電子線に比べて数倍以上高いばかりでなく、紫外線耐性突然変異体など、今までにない新しい突然変異体も高頻度で誘発することがわかってきた。発表では、突然変異体のDNAレベルでの解析や、イオンビームによる突然変異誘発の特徴についても考察する。

論文

${it Potato virus Y}$-resistance in the progeny of haploid mutants obtained by the culture of ${it Nicotiana Tabacum}$ L. Anthers exposed to ion beams

浜田 健太郎*; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏

Plant Biotechnology, 18(4), p.251 - 257, 2001/04

イオンビーム照射とタバコ花粉の培養系利用によって得られたポテトウィルスYの耐病性半数体の染色体倍化を行うため、髄組織の培養を試みた。その結果、35個体の植物を得ることができ、順化を行った。それらの染色体数は22から96本まで変化していたが、16個体では、正常な48本の染色体を保持していた。また、これらの植物体は自家受粉により稔性種子を作り出せることができた。さらに、後代でポテトウィルスYの接種試験を行ったところ、耐性と感受性の植物体が混在していたものの、半数体で耐病性であった約50%が倍化植物体でも耐性であることがわかった。

論文

Rearrangements of the DNA in carbon ion-induced mutants of arabidopsis thaliana

鹿園 直哉; 田中 淳; 渡辺 宏; 田野 茂光

Genetics, 157(1), p.379 - 387, 2001/01

イオンビームによって誘発される突然変異の分子機構は全くわかっていない。そこで、シロイヌナズナに炭素イオンビームを照射し、誘発したgl1-3,tt4(C1),ttg1-21の3つの突然変異体から変異遺伝子を単離し、塩基配列の解析を行った。gl1-3突然変異は、第3染色体に存在するGL1遺伝子座とAtpk7遺伝子座間で逆位を起こしており、そのサイズは、2,3百kbpに及ぶものであった。逆位は第2染色体の107bpの挿入をも伴っていた。tt4(C1)突然変異も、2,3百kbp程度の逆位を誘発していた。一方、ttg1-21突然変異では、第3染色体と第5染色体の相互転座に由来するものであった。これら3つの突然変異に共通して観察された現象は、すべての変異が、わずか数塩基のホモロジーを介して再結合されているということであった。また、その接合点では数塩基の欠失も伴っていた。これらの結果から、イオンビームによるDNA損傷は、非相同組換え修復によって変異が誘発していることが示唆された。

報告書

放射性物質の植物への移行と影響に関する研究(放射性物質のシロイヌナズナへの移行と影響に関する研究) -先行基礎工学分野に関する共同研究報告書-

鶴留 浩二; 時澤 孝之; 山田 哲治*; 長柄 収一*

JNC TY6400 2000-014, 39 Pages, 2000/05

JNC-TY6400-2000-014.pdf:1.35MB

本研究では、放射性物質及びその放射線による植物への影響調査を目的として、植物の遺伝的影響調査及び植物体中の放射線強度分布の測定手法の検討を行った。本研究では遺伝子研究のモデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を用いて室内実験を行った。尚、本研究は先行基礎工学研究分野に関する研究テーマとして、平成9年度から平成11年度の3年間、岡山大学農学部応用遺伝子工学研究室の山田哲治教授と共同研究で実施したものである(平成9年度は客員研究員)。(1)A.thalianaの遺伝子影響は、鉱さい土壌で生成させたA.thalianaからDNAを抽出しカルコン合成遺伝子及びトランス桂皮酸酵素遺伝子についてシークエンス解析した結果、解析範囲内での遺伝子変異は認められなかった。(2)放射線強度分布の測定手法の検討は、鉱さい土壌で生育させたA.thalianaについてX線フイルムとイメージングプレート(IP)を用いて解析した結果、2手法ともに植物中の放射性物質濃集部位を確認できなかった。本研究により、今後の植物影響評価の基礎となる遺伝子解析操作に関わる一連の手法を習得することができた。

論文

イオンビームで創った植物の紫外線耐性突然変異体

田中 淳

放射線化学, (68), p.26 - 29, 1999/09

イオンビーム照射によって得られた紫外線耐性突然変異体についての総説である。4つの耐性突然変異系統(uvi1$$sim$$uvi4)の紫外線に対する耐性機構を調べると、uvi1では光回復能だけが高く、uvi3では暗回復能だけが高いのに対し、uvi2では両方の修復能が非常に高いことがわかった。一方、uvi4ではどちらの能力も野生株と比べて得に差がないという結果が得られ、4系統がそれぞれ耐性の原因が異なるという興味深い結果が得られている。特に両回復能が高いuvi2では、紫外線によって生じるDNA損傷のCPDと(6-4)型光産物が野生株に比べて速く修復する。さらにuvi2では、修復酵素であるCPDフオトリアーゼの発現が、可視光や紫外線照射下で非常に高いことも最近わかってきており、野生型の正常なUVI2は修復遺伝子の発現を負に制御する遺伝子ではないかと考えている。

論文

Decolorization of dark brown pigments in molasses wastewater by mutant strains of Aspergillus usamii and coriolus versicolor

S.Ngamnit*; 瀧上 眞知子*; P.Suchada*; S.Orawan*; C.Saovapong*; 伊藤 均

Biocontrol Science, 4(2), p.109 - 113, 1999/00

廃糖蜜の発酵排液中の黒褐色色素は一般的微生物では分解が困難である。この黒褐色排液をAspergillus usamii及びCoriolus versicolorにより効率良く脱色処理するためにC$$^{5+}$$イオンビームまたは$$gamma$$線により脱色能の優れた変異株の分離を試みた。その結果、イオンビーム照射により得られたA.usamiiの変異株は8倍希釈した排液を2~3日で40~42%脱色したのに対し親株では30%にすぎなかった。一方、C.versicolorの変異株では5~6日培養で約70%脱色したのに対し、親株の脱色率は51%であった。廃糖蜜の発酵排液の処理法としては、A.usamiiの変異株で脱色処理して得られた菌糸を家畜飼料として有効利用して、残りの処理排液を再度C.versicolorの変異株で処理するのが実用的と思われる。

論文

Increased digestibility of raw starches by mutant strains of Aspergillus awamori

A.Amsal*; 瀧上 眞知子*; 伊藤 均

Food Sci. Tech. Res., 5(2), p.153 - 155, 1999/00

東南アジアでは澱粉資源が豊富に生産されている。この澱粉資源を有効利用するためには糖化処理が必要である。澱粉の糖化のためには、通常は100~140$$^{circ}$$Cで熱処理してから酵素分解している。Aspergillus awamoriは生澱粉を低pH下で糖化できるが、活性が低いのが問題である。A.awamoriは紫外線や$$gamma$$線で突然変異誘発が困難である。本研究では、C$$^{5+}$$イオンビームを凍結乾燥したA.awamori胞子に照射したところ$$alpha$$-アミラーゼ活性が2~3倍に向上した変異株が多く分離された。イオンビームによる変異誘発は$$gamma$$線に比べ5~10倍高かった。また、イオンビーム照射で得られた変異株のキャッサバ、サゴ、スクンの生澱粉消化性も2~3倍に向上した。

論文

実用化近づくイオン照射によるバイオ技術

渡辺 宏

原子力eye, 44(8), p.22 - 23, 1998/08

植物に対するイオンビーム照射の影響に関する研究は原研が中心となって大学や国立研究機関や民間などとの協力のもとに進められてきた。過去5年間の研究から、植物で起こる突然変異の特徴が明らかになりつつあり、新規の変異原としての有効性があきらかになるとともに、キクの花色変異体やオオムギの耐病性変異体などが実用的に使用される方向で研究開発が進んでいる。突然変異の利用以外にも花粉を照射することによって交雑不親和性を打破する技術の開発や花粉に直接外来遺伝子を導入する技術の開発が進んでおり、実用的な利用が期待される段階になりつつある。イオンビーム育種という新しい分野の現状と将来の可能性を紹介する。

論文

Molecular analysis of carbon ion-induced mutations in arabidopsis thaliana

鹿園 直哉; 横田 幸彦*; 田中 淳; 渡辺 宏; 田野 茂光*

Genes and Genetic Systems, 73(3), p.173 - 179, 1998/00

 被引用回数:29 パーセンタイル:54.71(Biochemistry & Molecular Biology)

植物におけるイオンビーム誘発突然変異の特徴を調べるため、カーボンイオン(220MeV)によって誘発されたシロイヌナズナの突然変異体をPCR及びサザンブロット法によって解析した。カーボンイオン照射後分離された突然変異体は、gl1突然変異体が2系統、tt4突然変異体が2系統である。これら4つの突然変異体のうち、1つは欠失、2つは転座もしくは逆位、1つは点突然変異であった。以上の結果から、イオンビームは植物において様々な種類のDNAの構造変化を誘発することが示唆された。イオンビームは、新しい突然変異原として、植物の遺伝学や育種学に非常に有用であると考えられる。

論文

イオンビーム変異によるAspergillus awamoriの生澱粉消化性の改良

A.Aryanti*; 瀧上 真智子*; 伊藤 均

食品照射, 33(1-2), p.37 - 40, 1998/00

生澱粉を糖化処理することはエネルギー消費の低減の上で意義がある。Aspergillus awamoriは低pH下で生澱粉を消化できるが、変異処理による消化性の向上が望ましい。本研究ではC$$^{5+}$$イオンと$$gamma$$線による変異誘発効果を比較し、生澱粉消化性について検討した。$$gamma$$線とイオンビーム照射による変異株の出現率を酵素活性の向上によって比較したところ、酵素活性が向上した変異株の出現率はイオンビームの方が著しく多かった。また、これらの変異株によるキャッサバ澱粉、サゴ澱粉、スクン澱粉の消化性は2倍以上に向上した。

37 件中 1件目~20件目を表示